京都最古の禅寺【建仁寺】の見どころ・魅力8選。国宝や天井画の魅力あるれるスポット。

数々の国宝・美術品を備えた美術館のようなお寺で行う歩行禅。

四条河原町や花見小路、祇園といった京都を代表する繁華街や清水寺や二年坂・三年坂などがある東山の真ん中に、ひと際広大な土地を所有するお寺がございます。
名前を建仁寺。臨済宗建仁寺派の大本山で開山は教科書でも目にしたことのある栄西禅師です。
建仁寺の広大の敷地内には丸まるの当該寺院も存在し、敷地内に一歩踏み入れると来場者は京都の一等地の中でこのように広大な敷地を備えていることに驚かされ、繁華街の喧騒が嘘のように穏やかで落ち着いた雰囲気が漂っています。建仁寺の境内も非常に広大で3つのお庭や、書院を巡りながら様々な美術品を目にしながら巡るため、さながら美術館のように楽しめます。

とりわけ、俵屋宗達による国宝「風神雷神図屏風」、法堂に描かれた天井画「双龍図」は数々のメディアでも紹介される建仁寺の中でも必見。京都に禅の教えを広めたことから京都最古の禅寺で知られ、訪れる多くの人を美術品や庭園の風景とともに禅の世界へと誘ってくれます。アクセスもしやすく、清水寺や二年坂・三年坂といった人気観光地にも近い事から休憩にもお勧めのぜひ訪れていただきたい寺院です。撮影スポットも盛りだくさん。その魅力やアクセスをご紹介いたします。

<この記事はこんな人にお勧めです>

  • 京都東山に旅行、観光を予定や計画をされている方
  • 京都で清水寺、二年坂・三年坂、八坂神社、花見小路、安井金毘羅堂、祇園周辺、錦市場を観光される方
  • 京都の休憩スポットをお探しの方、日本庭園でゆっくりしたい方
  • 美術、芸術、アートが好きな方
  • 雨天時の京都観光のおすすめスポットをお探しの方

<建仁寺の歴史>

禅と茶の文化を広めた800年以上の歴史を持つ京都最古の禅寺

建仁寺の開創は1202年で800年以上の歴史を持つ、京都の中でも古いお寺です。1200年代というと鎌倉時代の頃で、建仁寺の寺名は当時の年号が建仁2年にあたる事から、この年号から名付けられたとの事。諸堂は中国の百丈山を模して建立されました。創建当時は天台宗・密教・禅の3つからなる三宗兼学の場でしたが、中国の禅僧・蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)の時から純粋な臨済禅の道場となり、800年の時を経て現代でも京都最古の禅の道場として広く人々の心のよりどころとなっています。

開山を行った栄西(寺伝では読み方は「ようさい」 / 一般には「えいさい」 )は14歳で落髪し、比叡山で天台密教を修め、その後二度の入宋(宋への使節、留学)を経て日本に禅を伝えました。

また、この際に中国から茶種を持ち帰り、日本で栽培することを奨励したことで喫茶の法を普及した「茶祖」としても知られ、ここ建仁寺も茶文化を広めたお寺として知られています。

<建仁寺の見どころ>

①勅使門(重要文化財)

賑わう花見小路を抜けると見えてくる建仁寺の石碑とともに現れる門は、実は重要文化財です。
銅板茸切妻造(本を開いて逆さまにしたような形でシンプルな屋根)の四脚門で鎌倉時代の遺構を今に伝えている歴史ある門で、よく見ると柱や扉に戦乱の矢の跡が確認できます。このことから「矢の根門」や「矢立門」とも呼ばれています。元々は平重盛の六波羅邸の門、あるいは平教盛の館門を移建したものといわれています。
繁華街の中で何気なく目にする門ですが、日本の歴史の舞台に長らく主役となってきた京都の歴史を物語る門の一つですね。

②風神雷神図屏風絵(国宝)

建仁寺に入場後のすぐのエントランスにて飾られている「風神雷神図屏風」。

風神雷神といえば日本画や日本彫刻の中でもとりわけ有名な題材で、中でもこの金箔が施された荘厳な屏風図はCMやポスターで一度はご覧になられたことがあるのではないでしょうか。

二曲一双の屏風全体に金箔を施し、右に風神・左に雷神が描かれている「風神雷神図屏風」は有名所では三種存在し、まず江戸時代の1600年代初頭に俵屋宗達が描き、その100年後に尾形光琳が、さらにその100年後に酒井抱一の三人の画家が描いております。

こちらの建仁寺が所有しているものは最初に描かれた俵屋宗達のもので、宗達晩年の最高傑作とされ三枚の風神雷神図屏風の中では唯一国宝に指定されています。

通常は高精細デジタル複製のものが展示されていますが、その姿は見る人の目を奪うほど美しく、繊細かつ優雅。金色の中に白い肌の雷神と緑の肌の風神という独特で印象的な屏風図のインパクトは400年を経ても色あせる事なく国内外の人々の目を奪います。以前、京都国立博物館で三枚の「風神雷神図屏風」が揃うという展示会が行われたのですが、

その中でもとりわけ金箔が美しく、3枚の中でも軽やかで素朴なのにどこか雄大さや静かな力強さを兼ね備えた作品で、私が三枚の中で最も好きな作品です。展覧会では遠くから眺めることしかできませんでしたが、デジタル複製とは言え、美術館・博物館以上に間近くで拝見できるのはここ建仁寺ならではの貴重な体験です。

キーワード:俵屋宗達

読み仮名たわらや そうたつ、生没年は不明、江戸時代初期の画家。

宗達は尾形光琳と並び称せられる近世初期の大画家だが、その知名度の高さと後世への影響の大きさに比べ、その生涯には不明な点が多い。おそらく親交のあった角倉素庵や烏丸光広と同年代、1570年代かその少し前の生まれと推定される。京都で「俵屋」という当時絵屋と呼ばれた絵画工房を率い、扇絵を中心とした屏風絵や料紙の下絵など、紙製品全般の装飾を制作していたと考えられている。同時代の仮名草子『竹斎』には、この頃京都で「俵屋」の扇がもてはやされたと記されている。

俵屋宗達の作品は京都では風神雷神図屏風の他、養源院にて「養源院襖絵・杉戸絵」 、醍醐寺にて「舞楽図屏風」などの作品が鑑賞可能。

③本坊中庭「〇△▢乃庭」

エントランスから道順に沿って歩くと建仁寺の3つあるお庭の一つ「〇△▢乃庭」をご覧いただけます。

〇△□乃庭は元々単純な3つの図形によって宇宙の根源的形態を示し、禅宗の四大思想である地・水・火・風のうち、四角い間取りや設置された井戸が□(地)を、枯山水の円形が〇(水)を、植えられた木が△(火)を象徴しているという神秘的で落ち着いたお庭。素朴な小さな中庭ですが、普通のお庭とは違うこだわりの詰まった素敵なお庭です。

④潮音庭 

読み方は「ちょうおんてい」。〇△▢乃庭や小書院を抜けると本坊があり、その本坊と大書院を挟んでその二つを結ぶ回廊とで四角く区切られた庭園「潮音庭」を見ることができます。庭園の中央には三尊石(仏教の三尊仏のように組む石組)、その東には坐禅石(禅の世界を象徴する石)、廻りには紅葉を配置した枯淡な禅庭です。

本坊は畳の上で座って、大書院では座椅子に座って鑑賞ができます。回廊からも歩きながら回廊が出来き、四方様々な方向から庭園の鑑賞を楽しめます。

特に本坊では畳の気持ちよさもあっていつまでもぼーっと眺めていたくなります。紅葉が風に揺れる様を見ながら静かで雄大な庭園で過ごすのは京都観光の一休みにもお勧めです。

⑤方丈(重要文化財)と庭園「大雄苑

方丈は慶長4年(1599)に広島の安芸の安国寺から移築したもので、豊臣秀吉とゆかりのあるの臨済宗の僧、安国寺恵瓊(えけい)によって移築されました。

中に入る事はできないのですが入口から見学ことが可能で、非常に厳粛な雰囲気が漂っていいます。本尊である東福門院寄進の十一面観音菩薩のほか、建仁寺のパンフレットでも紹介されている栄西禅師の肖像も飾られています。

うって変わって庭園の大雄苑を望む方丈の縁側は穏やかな雰囲気で、来場者は縁側に足を垂らしてくつろいだりなど穏やかな雰囲気に包まれており、

大雄苑は庭一面に敷き詰められた白砂と緑苔、巨石が配置され大らかな味わいを感じることができます。さきほど紹介した本坊中庭「〇△□乃庭」、潮音庭と合わせて3つの庭園があり、そのどれもが趣の違う様子を楽しめるのが建仁寺の魅力の一つです。ぜひ、あなたにあった庭園でゆっくりと庭園を眺めて日ごろの忙しさを忘れてください。

⑥:重要文化財に指定される襖絵の数々。

建仁寺では様々は襖絵も見どころの一つです。画家 海北友松によって桃山時代に描かれた方丈襖絵「雲龍図」、「花鳥図」、「竹林七賢図」、「琴棋書画図」、「山水図」は全て重要文化財に指定され、方丈などを巡る際にこれらの美しい襖絵の高画質デジタル複製を鑑賞することができます。どれも繊細で美しい襖絵ですが、なかでも「雲龍図」は後述の「双龍図」とはまた異なる迫力です。四角い部屋をLの字に2匹の龍が配置され、その迫力あるまなざしは部屋に訪れる者を突然雲から現れた龍に取り囲まれたような感覚を覚えます。「竹林七賢図」、「山水図」などは雲龍図とは異なり素朴で繊細たタッチで描かれており、同じ画家でも異なる題材による描き方の違いを堪能できるのはさながら美術館のようです。

⑦:法堂と天井画「双龍図」

建仁寺といえばこの天井いっぱいに描かれた天井画の「双龍図」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
「風神雷神屏風図」とともにこちらも数々のメディアで紹介される、建仁寺のもう一つの目玉ともいえる壮大な作品です。この絵画は本堂とは少し離れた場所に法堂の天井に描かれておりスリッパに履き替えて法堂へと訪れます。

薄暗い法堂の中を訪れ見上ると正しく雲の上から今現れたと錯覚させるほど。縦11.4m×横15.7mと巨大で阿吽の口をした2匹の迫力ある龍が来場者を見下ろすような形で迎えます。
この双龍頭は建仁寺創建800年を記念して平成14年(2002)4月に小泉淳作画伯の筆により完成したもので、以外にもその歴史は新しいものとなります。阿形の龍は手に玉をつかむ。仏法守護として、また水の神として仏法の教えの雨(法雨)を降らせるたとえから、禅宗の法堂に描かれることが多いそうです。雲龍図と双龍図の異なる迫力ある龍の絵を見比べられるとい所は京都でもほかにないのでは? 個人的には改装された建仁寺塔頭の西来院も「白龍図」も含め、日本国内でも最も龍を感じることのできる寺院だと思います。

また、法堂内では正面須弥壇にて本尊釈迦如来座像と脇侍迦葉尊者・阿難尊者が祀られています。黄金に輝く姿は法堂内の薄暗さも相まって後光がさしているようにより神々しく映ります。

⑧三門「望闕楼」

境内の鑑賞を終え、敷地内を進むと木造の大きな三門をご覧いただけます。

大正12年に静岡県の浜名郡雄踏町山崎の安寧寺から移建された三門で、「御所を望む楼閣」とう意味で「望闕楼」と名付けられました。また、楼上には釈迦如来、迦葉・阿難両尊者と十六羅漢が祀られています。悟りに通ずる三つの解脱の境地を表わす門(三解脱門:さんげだつもん)を意味していることから「三門」と称され、それぞれ「空門(くうもん)」「無相門(むそうもん)」「無願門(むがんもん)」を表しています。

基本情報

【費  用】拝観料 800円
【拝観時間】AM10時~PM5時(PM4時30分受付終了)
【所要時間】1時間程度 ※個人差有
【アクセス】
大本山建仁寺:京都市東山区大和大路通四条下る小松町584
・京阪電車「祇園四条駅」より花見小路を直進。 徒歩約7分。
・阪急電車「京都河原町」より 花見小路を直進。徒歩約8分。
・京都駅から市バス利用の場合、市バス206号に乗車し東山安井で下車。安井金毘羅宮を抜ける。徒歩約5分


【最寄り観光地】
清水寺 / 安井金毘羅堂 / 祇園・花見小路 / 八坂神社 /六波羅蜜寺 / 錦市場 / 木屋町 / 四条河原町商店街 /高台寺 / 歌舞伎座/二年坂・三年坂 など

【公式HP】
建仁寺 The Oldest Zen Temple Kenninji